円安が続いているけど、オルカンは買ってもいいか?
為替について、3年前のドル円は、1ドル110円台で推移していましたが、今年に入って急激な円安が進み、一時は1ドル160円台となっていました。
今は落ち着いたとはいえ、1ドル140円台半ばで推移していますが、ここ最近はボラティリティが大きくなっていますね。
今年に入り、新NISA制度が始まったこともあり、すでにオルカン(オールカントリー)を購入された人もいれば、これから新たにオルカンへの投資を検討したいという方もいると思います。
(8月初めの暴落を見てやっぱりやめておこうと躊躇われる方もいるかも知れませんが・・・)
すでに積み立てを始めている方は大丈夫だと思いますが、これから購入を検討する方の中には、
「今は円安が進んでいるので、オルカン買いたいけど待った方がいいのかも?」
と買い時が気になる方も一定程度いらっしゃると思います。
この記事では、具体的な数字を交えて、円安とオルカンの関係について解説します。
円安とは?円安の投資への影響を理解する
まず、円安の影響を整理しましょう。円安とは、日本円の価値が他国の通貨に対して低下する現象です。
例えば、1ドル=110円だったのが、1ドル=140円になると、1ドルを得るためにより多くの円(この場合は30円)が必要になります。
この円安が進むと、海外資産に投資している場合、その資産の円換算での価値が上昇します。具体的に、例えば、米ドル建ての株式や債券に投資していると、円安によって評価額が増えることになります。
反対に言えば、円高になった場合は評価額が下がることになります。
オルカンを購入することは、外貨建て資産を保有することになるため、この為替の影響(円安・円高)を受けることは十分理解する必要があります。
オルカンのパフォーマンスと円安の関係
オルカンは全世界の株式市場に分散投資する投資信託です。主要な投資対象としては、米国や欧州の株式が大部分を占めています。
そのため、仮に、オルカンそのもの指数に変動がない場合でも、為替が円安方向に進むだけでオルカンにとって有利に働く場合が多いです。
具体的な数字を見てみましょう。(オルカンの構成銘柄がすべて米ドル建て資産と仮定した場合)
このように、円安が進行することで、オルカンの評価額は大きく上昇する可能性があるのです。
オルカンを買うべきか?今のタイミングでのメリットとリスク
では、円安の今、オルカンを買うべきなのでしょうか?考慮すべきポイントを以下に挙げます。
メリット:
- 外貨建て資産の価値上昇: 円安により、米ドルやユーロ建ての資産価値が上がり、オルカンの評価額が上昇する可能性が高いです。
- 分散投資の強み: オルカンは全世界の株式に投資するため、特定の国や地域に依存しない分散投資が可能です。これにより、リスク分散が図れ、長期的なリターンの安定性が期待できます。
リスク:
- 円高への転換リスク: 現在の円安局面が続く保証はありません。将来的に円高に転じた場合、外貨建て資産の評価額が下がり、オルカンのパフォーマンスが悪化する可能性があります。
- 短期的な市場変動の影響: オルカンは全世界に分散投資しているとはいえ、世界的な市場変動には影響を受けます。特に米国市場が不安定になった場合、その影響がオルカン全体に及ぶ可能性があります。
上記のようにメリットとリスクを勘案して購入すべきかどうか判断する必要があります。
特に、現在は円安が進んでいるため、少しでも円高に振れると大きな含み損を抱えることになります。そのため、一定程度の含み損を許容しつつ、長期的な投資を心がける必要があります。
そのためには、毎月一定額を積み立てるドルコスト平均法を採用することが重要です!
ドルコスト平均法による投資を継続することで、為替が円高の時も購入し、円安の時も購入することに繋がり、為替の影響を緩和しながら投資を進めることができます。
オルカンという優良な投資信託に投資することに限って考えると、円安局面であろうが、円高局面であろうが、積立投資を継続することで上記のリスクを最小化したうえで、リスク分散を図りつつ、長期的な資産形成を図ることができると考えています。
結論:長期投資なら、今の円安局面でオルカンを購入しても大丈夫!
結論として、円安局面でオルカンを購入することは、長期投資を前提にすれば有力な選択肢と言えます。
ただし、一括で多額の資金をオルカンに投資することはリスクが高いと考えています。
投資を行うとしても、現在の円安局面が反転して円高に進む場合も考慮し、ドルコスト平均法による定期的な積立投資を行うことでリスクを分散することが賢明です。
ここまで書いておいてなんですが、今が円安局面なのか、もしくは円高局面なのか、それは10年や20年たってみないと誰にも判断できないことだと思います。
「今が円安だと思うから投資を控える」という判断も当然ありうるものだと思いますが、仮に、今後また円安が進み1ドル160円になった場合はどう思うでしょうか?
「昔、1ドル140円台の時に投資しておけばよかった」と私ならこのように後悔してしまうと思います。
もちろん、反対に円高に進む場合もあるでしょうが、その場合は「もっと円高になるはずだからそれまで待ち続けよう」などと考えて、結局投資に踏み切れないということになるかもしれません。
このように考えると、円安だろうが円高だろうが、積立を継続するというシンプルな考え方を持ち続ける方が、長期で見た場合にあれこれ余計なことを考えずに済む気がします。
為替の将来を予測することはできません(普通の人には)。
だからこそ積立を愚直に継続していくことが大事だと思います。
私もここ数年間、毎月10万円オルカンを買い続けています。
円安なんて気にせずに、積立やっていきましょう!
以上です。
今後ともよろしくお願いいたします。